いじめ防止基本方針

              ―仲間を支え、お互いの良さを認め合う集団作り- 

◇はじめに◇

 日常生活の中で、子どもの頑張りや良さを認め合う場面を意識的に設けてきたが、自分の考えを持っていてもすぐに表現できなかったり、言葉で上手く伝えられない場面も見られた。

 仲間の考えを聞き、互いの良さを言葉で表現できる機会を持ちながら、お互いに高め合う子ども同士の関係を構築していきたい。

 学級での活動・縦割り班活動・全校活動などで、子ども同士の関わりを深め、学び合いをし、協力する中で相手を思いやる気持ち(=仲間への支援)や感謝の気持ちを育んでいきたい。

 また、一人一人の役割を明確にする中で、その役割を果たし、認め合うこと(=異年齢の集団作り)に重点をおきながら自治活動の推進を図っていきたい。

 キーワードは自己肯定感
 

Ⅰ.いじめ防止等に関する基本的な考え

本校のいじめ防止に関する基本的な姿勢

 いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある。

 したがって、本校では、すべての児童がいじめを行わず、ほかの児童に対して行われるいじめを認識しながら放置することが無いよう、いじめが心身に及ぼす影響その他のいじめ問題に関する児童の理解を深めることを旨とし、いじめの防止等のための対策を行う。

 また、家庭や地域、関係機関との連携を大事にし、児童が多くの人々と関わり、多くの目で見守られるよう学校を中心としたコミュニティー作りに努める。

 

学校及び職員の責務

 いじめが行われず、すべての児童が安心して学習やその他の活動に取り組むことができるように、保護者、地域、他関係機関との連携を図りながら、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組むとともに、いじめが疑われる場合には、適切かつ迅速に対処し、再発防止に努める。

 また、教職員の言動が児童に大きな影響力があるという認識を持ち、児童一人一人についての理解を深め、児童との信頼関係作りに努める。

Ⅱ.いじめの防止等に関する内容

いじめの未然防止・いじめの早期発見のための5つの柱

 •児童の実態に応じた指導計画の整備と指導体制の充実を図る

 •日常的なふれあいと共感的な児童理解を深め、きめ細かい指導に努める

 •一人ひとりの個性を生かし、認め合い・励まし合い・学び合う温かい人間関係の構築

 に努める(児童理解と計画的な指導体制の確立)

 •子ども理解支援ツール『ほっと』等を活用し、生徒指導に生かす

 •インターネットを通じて行われるいじめへの状況把握(情報モラル教育・ネットパト

   ロール)

 

Ⅲ.『いじめ防止対策委員会』の設置

 いじめ防止、いじめの早期発見及びいじめへの対策等に関する措置を実効的に行うため、『いじめ防止対策委員会』を設置し、いじめと疑われる相談・情報があった場合には、会議を緊急開催する。

 1)『いじめ防止対策委員会』の構成

   ・管理職、生徒指導部長、当該学年担任

    ※事案により、柔軟に検討し構成メンバーを決める

 2)主な活動内容

   ・いじめ防止等の取組内容の検討と評価

   ・いじめに関する相談・連絡への対応

   ・いじめの判断と情報収集

   ・いじめ事案への対応検討・決定

   ・いじめ事案の報告

 

Ⅳ.重大事態への対応

 

    何か?!(問題行動)を見つけたら

        子どもから     親・地域から             先生方、養護教諭から

                 ↓

「〇〇さんが…」「〇〇という話を子どもから聞 いたけど…」「…という場面を見た」「保健室から …」等。情報源は様々あるが、聞き流さずに心にインプットして。

 
  まず、何をどうするか

  ①事実を確認する

     ・本人に確かめる   ・友だちに確かめる     ・学級に問いかけをする

     ・親に問いかけてもらう(この場合は慎重に)

        →  内容により様々な方法で。もちろん本当でも素直に話してくれるとは

      限らない。

 

  ②もし、「何かある」とわかったら

        →  すぐに『いじめ防止対策委員会』を開く。

     →  さらに事情を明らかにし、適切な指導をおこなうための方針を立てる。

       ・事実関係をつかみながら、1回目の指導を行う。

             ※指導内容は迅速に父母にも伝える。

       ・内容によっては並行して、複数の教師で対応することが望ましい。

       ・なるべく時間を置かずに、対応は迅速に行う。

       ・担任が集中して対応できるよう、指導部が中心となって職員間で連携をとる。

 (会議や分掌、係の仕事などが入っているとき)

       ・各自がつかんだ事実関係や情報をつきあわせて全体像を一致させ、不明確なと

   ころは再度追求する。

      

  ③事実関係が整理できたら

        →  再度『いじめ防止対策委員会』を開き、親への対応や今後の指導につい

      て相談する。           

  ・対外的な対応や連携は、教頭と指導部長を中心に行う。

  ・必要に応じて養護教諭と連携をとり、子どもの心のケアに努める。

 

  ④児童の保護者(父母)には

        →  事実関係と指導内容、家庭で教えてほしいことやこれからの指導見通し 

      を伝える。その際、保護者の疑問や不安、時には不満を素直に受け止め

      これからの指導での連携に努める。

        →  父母が様々な思いをもつので、感情的になるなどスムーズにいかないこ 

      とも多いが「言葉」そのものではなく、その背景にある親の気持ち受け

      止めていねいに対応し、必要なことはしっかりと伝える。

 

        ・電話だけでなく家庭訪問などで顔を合わせて話をする。

        ・必要に応じて指導部長(教頭)などが入る。

        ・これからの指導については、「学校」「家庭」でやるべきことを具体的に伝

   える。「〇〇の力をつけるために」「こんな活動を」「いついつまで」

 

  ⑤複数の子どもが関わっている場合は

        →  関係する保護者と学級担任が話し合いの場をもつ

   ・事実を共通にする。

      ・「誰が悪い」ではなく「何が原因」で「これからどうしていったらよいか」

   「この事例からどんなことを学ばせたいか」を共通にする。

      ・各自の親の悩みや子育ての課題をふり返ったり、語ったりする場にする。

      ・学校として(学級としても)「今後どんな指導を行っていくか」を保護者にでき

   るだけ明確に伝える。

 

  ⑥子どもが失敗からきちんと学ぶことを求めて

        → 関わっていた子ども一人ひとりと対話し、各自に課題意識をしっかりも

      たせ成長(改善)のためにはどんな努力が必要なのか、具体的に指導す

      る。

        → その後必要に応じて関わった全員に一斉指導したり、学級集団で考え合

      わせたり 継続的に対話をもったりする。

        → あわせて養護教諭と連携し心のケアを行う。

 

  ⑦問題によっては

        → PTAの三役に経過と指導内容を伝えて、以後の協力をお願いする。

 

  ⑧さらに必要に応じては

        → 父母の懇談会で「大まかな事実経過」「その後の様子」について報告し

       子どもの課題を話し合い、助け合って子育てを行う雰囲気を高める。

 

  ※ 指導上の留意点

     ☆児童への指導や父母との連携の様子は、当該学級担任から指導部へ、そして『い

  じめ防止対策委員会』へ報告し、必要に応じて相談援助を受ける。また、職員全

  体にも伝え指導への助言・協力を受ける。

     ☆指導部は、『いじめ防止対策委員会』において、教頭、校長に報告し、必要な相

  談や援助を受ける。

     ☆養護教諭は学担とともに児童の心身の状態を把握し、常に指導部や教頭・校長と

       連携する。また、必要に応じて父母や関係機関ともつながりをもつ。

     ☆教頭は、外部との連携の要となり、常に指導の状況や父母との対応の様子をつか 

     む。

     ☆校長は、学級・指導部の働きかけを把握して必要な指導を行う。

     ☆全教職員は、課題となっている児童に積極的に声をかけ、激励するとともに小

        さな頑張りも担任にこまめに伝える。